律生五声図第六(*)
宮声八十一 商声七十二 角声六十四 徴声五十四 羽声四十八
按ずるに、黄鐘の数の〈九(*)〉を自乗した「八十一」は、五声の根本である。この数を三分して一を減じて〈徴〉を下生する。〈徴〉は三分して一を加えて〈商〉を上生する。〈商〉は三分して一を減じて〈羽〉を下生する。〈羽〉は三分して一を加えて〈角〉を上生する。〈角声〉の数「六十四」まで進み、三分すると〈一〉が余り、計算が継続できない。これが〈声〉の数が五にとどまる理由である。 こういう疑問があろう。ここに示されたのは黄鐘均の場合の五声の数値であって、他の律〔が調を構成する場合〕は違う、と。それはこういうことだ。律の〈実数〉に九九(八十一)を乗じ、その数を三分損益して五声の数値を算出し、ふたたび律の〈実数〉でこれを除せば、宮はやはり〈八十一〉、商もまた〈七十二〉、角もまた〈六十四〉、徴もまた〈五十四〉、羽もまた〈四十八〉なのである。(【原注】たとえば応鐘の実数〈九万三千三百十二(*)〉なら、八十一を乗じて〈七百五十五万八千二百七十二〉を宮とし、これを〈九万三千三百十二〉で除せば〈八十一〉となる。宮を三分して一を減じて〈五百三万八千八百四十八〉を徴とし、これを〈九万三千三百十二〉で除せば〈五十四〉となる。徴を三分して一を加えて〈六百七十一万八千四百六十四〉を商とし、これを〈九万三千三百十二〉で除せば〈七十二〉となる。商を三分して一を減じて〈四百四十七万八千九百七十六〉を羽とし、これを〈九万三千三百十二〉で除せば〈四十八〉となる。羽を三分して一を加えて〈五百九十七万千九百六十八〉を角とし、これを〈九万三千三百十二〉で除せば〈六十四〉となる。)
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